「PRISM仕様管理パッケージ」の提供を開始しました

<製造業DX・新サービス>クラウド型製品開発プラットフォーム『PRISM』に「仕様BOM」を管理する「PRISM仕様管理パッケージ」の提供開始

〜ベテラン設計者のノウハウを若手に継承する仕組みをクラウドで構築〜

 
バリューチェーンの改革を推進するクラウド型製品開発プラットフォーム『PRISM(プリズム)』を開発・提供する株式会社Things(本社:東京都品川区、代表取締役:鈴木 敦也、以下「当社」)は、製造業の製品開発において重要な「仕様BOM」を管理する「PRISM仕様管理パッケージ」を2023年9月1日に提供開始いたします。製造業のバリューチェーンにおいて重要な仕様情報をクラウドで管理し、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を通して設計部門の技能継承をご支援します。
 
■『PRISM仕様管理パッケージ』提供開始の背景
昨今、製造業の設計、開発、製造、品質保証などあらゆる部門で「技能継承」が慢性的な課題です。
製品品質の作り込みにおける重要工程である設計部門で継承すべき技能は多岐にわたります。たとえば「製品仕様書」「BOM」など製造に直接関わるドキュメントや、設計意図や根拠をまとめた「設計検討書」「シミュレーション結果計算書」などのドキュメントをはじめ、過去のトラブル経験、サプライヤとのやりとりなどがあります。
特に、製品全体の仕様とユニット、部品単位の仕様を構造化してまとめたものを「仕様BOM」といいます。これらは企業にとって競争力を生み出す情報資産であり、後工程の調達、製造、品質管理部門とのすり合わせでも活用されます。
経済産業省の調査では、技能継承への取り組みについて26.0%の企業が「退職予定者の伝承すべき技能・ノウハウ等を文書化、 データベース化、マニュアル化している」と回答し(※)、IT活用による業務の平準化がとられています。
しかし当社が独自に行った製造業のインタビュー結果では、「製品仕様書」や「BOM」はエクセルやワードファイルを社内イントラネット上の共有フォルダで管理し形式知となっている企業が多い一方で、「仕様BOM」は暗黙知化されており、それぞれのドキュメントは設計者のローカルフォルダに保管されたり、共有フォルダ上にあっても必ずしも他のドキュメントと関連付けられていない状況があることがわかりました。
 
(設計~仕様確定までの流れ)
(設計~仕様確定までの流れ)
従来はベテラン設計者の頭の中で情報の在り処を把握し、必要に応じてデータを参照したり、各部署と擦り合わせたりしていたため、情報を管理する仕組みがなくても問題にはなっていませんでした。
しかしこうした状況のまま世代交代が進むと、設計意図やノウハウが若手に継承できず、製品トラブル時の原因特定に時間がかかるなどの問題があります。単体のドキュメントが独立し設計者の頭の中で仕様BOMを管理するのではなく、デジタルを活用して仕様BOMやその関連情報も含め総合的に情報を管理する仕組みを整え、設計者が早期に擦り合わせ設計ができる環境づくりが必要です。
※ 2022年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00105.html
 
■『PRISM仕様管理パッケージ』提供開始の背景
『PRISM仕様管理パッケージ』は、当社が提供している製品開発プラットフォーム『PRISM』のBOM管理機能を活用して、仕様管理用途向けに初期設定を済ませた『仕様BOM』をご提供するものです。クラウドソフト上で要求仕様の階層管理と、製品全体の仕様とユニット、部品などの仕様を関連付けて管理できます。
仕様項目ごとに、仕様検討、設計評価、試作評価、品質評価などのフェーズ管理も可能で、それぞれのフェーズに関連する強度計算、シミュレーション結果報告書、試作評価報告書などのエクセル、ワードやPDFといったファイルを関連付けることができます。
 
(「PRISM仕様管理パッケージ」画面)
(「PRISM仕様管理パッケージ」画面)
 
製品にトラブルが発生した際には、仕様項目の評価結果や試作結果を辿ることで、迅速に原因を特定できるようになります。中長期的にはLLM(大規模言語モデル)と組み合わせることで「このトラブルはどうして発生したのか分析して」と指示するだけで、BOMの情報をもとにトラブル原因をすぐに特定できる機能の開発も予定しています。
これらの仕組みにより、ベテラン設計者の暗黙知を形式知化し、若手設計者も早期に擦り合わせ設計が可能になることを目指します。
 
■「仕様BOM」とは
製造業におけるBOM(Bill Of Materials)を「要求仕様・機能仕様」の観点で親子関係をまとめたものです。製品仕様を実現するための各ユニットや部品の仕様の関係は、これまでは設計者が頭の中でそれぞれ考えており、組織として暗黙知になりがちでした。仕様をBOMという親子関係で管理し、関連付けて管理することで、組織として形式知にしていくことを目的としています。
 
(設計~仕様確定までの流れ)
(設計~仕様確定までの流れ)
 
PRISM仕様管理パッケージ』を使いこなすために>
仕様の関連性を整理する要求機能分解や機能ブロック図などの考え方を理解することが必要です。当社では、製造業に特化したベテランコンサルタントによる導入支援、設計者の教育サービスをセットでご提供いたします。
 
■サービス概要
名称『PRISM仕様管理パッケージ』
提供内容・製品開発プラットフォーム『PRISM』 ・仕様管理用途向けに初期設定 ・導入支援サービス(オプション) ・設計者の教育サービス(オプション)
ホームページhttps://mono-prism.jp/ 
価格企業規模・ユーザー数によって柔軟な料金体系をご案内
 
■製品開発プラットフォーム『PRISM』について
『PRISM』はノーコードで自社に合わせた部品データモデルを構築し、製品開発情報を一元管理するためのソリューションです。バージョンごとの部品表(Bill of Material)を土台に、各部品に対して図面、仕様、原価、在庫、調達データ、品質情報、製造情報などを紐付ける事で製品マスタを構築、製品開発における部門間の連携をスムーズにします。
・ブラウザだけで利用でき、すぐに馴染めるシンプルなデザイン
・複雑なBOMのバージョン管理や、ドキュメント類をすっきり一元管理 ・プログラミング知識が不要なノーコードで各種カスタマイズを実現し、システムの運用コストを大幅に低減 ・企業規模に応じた柔軟な料金体系でのご提供
 
■株式会社Thingsについて
Thingsは、日本の製造業が「現代版のあうんの呼吸」で優れたモノを生み出す世界を目指すスタートアップです。バリューチェーンの改革を推進する製品開発プラットフォーム『PRISM』の提供を通し、製品開発・製造の過程で生まれるデータの一元管理・共有化をサポートすることで、モノづくりに携わる全ての人が同じ景色を共有できることを目指しています。積極採用中。
社名:株式会社Things(英語表記:Things, Inc.)
設立:2021年9月
代表取締役CEO:鈴木敦也
株式会社Thingsのプレスリリース一覧
 
 
(本件お問い合わせ)
株式会社Things 広報担当
Tel:050-1807-3383
E-mail:info@things-inc.com